梅雨の季節に美しく咲き誇る紫陽花は、その鮮やかな色彩と豊富な品種で多くの人を魅了します。
そんな紫陽花(あじさい)には、色によって異なる花言葉があることをご存知でしょうか?
この記事では、紫・青・白・ピンク・緑といった色ごとの花言葉を解説し、それぞれの意味や贈る際のポイントもご紹介します。
紫陽花の色別花言葉とその意味
紫陽花の魅力は、色とりどりの花が織りなす情景だけではありません。
それぞれの色がもつ花言葉には、深い意味が込められており、贈る相手や場面に応じて選ぶ楽しみもあります。
青・紫の紫陽花:知的で神秘的な愛を象徴
青や紫の紫陽花は「知性」「神秘」「冷静」「移り気」「冷淡」などの花言葉を持ちます。
これは、青系の花がもつ静けさや、梅雨空と溶け合うような佇まいから来ているとされます。
知的で落ち着いた印象を与える色合いでもあるため、大人の女性や目上の方への贈り物にも向いています。
ピンク・赤紫の紫陽花:元気な女性や母への感謝に
ピンクや赤紫の紫陽花には「感謝」「愛情」「元気な女性」といった花言葉が込められています。
明るく華やかな印象を持つこの色は、母の日や誕生日の贈り物としても人気です。
特に女性に贈る際には、親しみやすく温かみのある気持ちが伝わりやすく、気軽なプレゼントにも向いています。

白い紫陽花:寛容さを表す
白い紫陽花の花言葉は「寛容」「一途(いちず)な愛情」「純粋」です。
無垢で清らかな印象を与える白は、相手を受け入れる優しさやひたむきな思いを象徴しています。
結婚祝いなどのフォーマルなシーンにもぴったりの花色で、人間関係を和らげたいときに選ばれることも多いです。
緑色の紫陽花:辛抱強く静かな情熱を表現
緑の紫陽花は「辛抱強さ」「静かな愛情」という少し控えめで奥深い花言葉を持っています。
特にアナベルという品種には、「ひたむきな愛」という花言葉もあります。
派手さはないものの、相手への気遣いや思いやりを伝えるのに最適な色といえるでしょう。
ナチュラルで落ち着いた雰囲気があり、男性や年配の方への贈り物にもおすすめです。
紫陽花の色 | 花言葉 | 適したシーン |
---|---|---|
青・紫 | 知性、神秘、冷静、移り気、冷淡 | 目上の人、落ち着いた贈り物 |
ピンク・赤紫 | 感謝、愛情、元気な女性 | 母の日、誕生日 |
白 | 寛容、一途、純粋、清らかさ | 結婚祝、お見舞い(切り花) |
緑 | 辛抱強さ、静かな愛情、ひたむきさ | お洒落な方、男性、年配の方、 |
紫陽花の花言葉に込められた良い意味と悪い意味
紫陽花の花言葉は、単に感情を象徴するだけでなく、日本や西洋の文化的背景を反映した「象徴的な記号」としての役割も担っています。
花言葉の成り立ちを知ることで、贈る際の意味合いをより深く理解することができます。
ここでは、紫陽花の花言葉に含まれる意味の由来と、それがどのように受け取られてきたのかを探っていきましょう。
歴史と文化から読み解くポジティブな花言葉
「辛抱強さ」「寛容」「感謝」などのポジティブな意味は、主に日本での紫陽花の季節性や風土に根ざしたものです。
紫陽花は梅雨の長雨の中でも咲き続けるため、耐え忍ぶ強さの象徴として見られてきました。
また、色が変わっていく性質から「柔軟な心」や「移ろいの美しさ」「時間の流れ」としても肯定的に捉えられることがあります。
西洋における紫陽花のイメージとネガティブな花言葉

一方で、西洋文化における紫陽花には、「冷淡」「高慢」「あなたは冷たい人」などの否定的な花言葉が多く見られます。
これは、青系の花が持つクールな印象と、変化する色が「信頼できない心」を象徴すると考えられたことに由来します。
ヴィクトリア時代の花言葉文化では、花は個人の感情や態度を伝える手紙のような役割を持っていたため、「色の変化=移り気な心」として伝えられたのです。
(花言葉は、”Selam(セラム)”と呼ばれるオスマン帝国の貴族の間で使われていた暗号文のようなもので、特定の小物に詩の意味を持たせ、色や配置・動作を組み合わせていたものが元になっています)
花言葉の捉え方は文化や時代で変わる
同じ紫陽花でも、日本と西洋で正反対の意味を持つという点は非常に興味深いです。
現代では「多様性」や「変化を受け入れる心」が評価されるようになり、ネガティブな花言葉も再評価されつつあります。
花言葉は絶対的な意味ではなく、その時代や文化の感性の鏡だといえるでしょう。
紫陽花をプレゼントする際の注意点
紫陽花はその美しさと繊細な色彩で、多くの人の心を惹きつける花ですが、贈る相手やタイミングによっては誤解を招くこともあります。
花言葉の二面性を踏まえ、適切な色選びとひと言の気遣いが、相手に喜んでもらえる鍵となります。
ここでは、紫陽花をプレゼントする際に心がけたいポイントを紹介します。
相手との関係に合った色を選ぶ
紫陽花は色によって花言葉が大きく異なります。
例えば、恋人には「冷淡」という意味がある青や紫よりも、「感謝」や「愛情」を表すピンク系の方が安心です。
一方で、知的で落ち着いた雰囲気の方には白や緑・青の紫陽花がピッタリです。
贈る相手の性格や関係性をよく考えた上で選ぶことが大切です。
私自身、退職される上司に淡い緑の紫陽花を贈ったことがあります。
その方は「この色、私らしくていいわね」と喜んでくださり、控えめながらも深い想いが伝わったように感じました。
花言葉を一言添えて贈ると気持ちが伝わる
どんなに美しい花でも、意味が誤解されてしまえば逆効果になることも。
だからこそ、カードや手紙で「この紫陽花には、あなたの優しさへの感謝を込めました」など、一言添えることが重要です。
以前、友人の誕生日に紫陽花を贈った際、「ありがとう。花も言葉も心に染みたよ」と言われたとき、小さな心配りが、大きな感動につながることを実感しました。
紫陽花は沈黙の中に物語を持つ花です。
だからこそ、贈る側がその物語に声を与えることで、より一層心に残る贈り物となるのです。

紫陽花の花言葉を色別に紹介!色ごとの意味を知り心を込めて贈ろう!のまとめ
紫陽花の色には、それぞれ異なる意味が込められています。
- 青・紫:知性・神秘・冷静・移り気・冷淡
- ピンク・赤紫:感謝・愛情・元気な女性
- 白:寛容・一途・純粋・清らかさ
- 緑:辛抱強さ・静かな愛・ひたむきさ
相手の性格やシーンに合わせて、色の持つ意味を意識しながら、より心に残る贈り物にしてください。
人生の節目には、純白の紫陽花で清らかな祈りを添えてみても素敵です。
紫陽花は、贈る人の心も、受け取る人の心も、そっと柔らかく包み込んでくれます。
どうか、あなたの想いが、色づいた紫陽花とともに、誰かの心に優しく届きますように。
コメント