ニューバランスのシューズには最先端の機能が搭載されていますが、ソールに使われている素材によっていろいろな特徴があります。
ENCAPは加水分解しやすいのか?もしそうなら、その原因と対策は何か?ということをまとめてみました。
これを読んで、お気に入りのシューズを長く愛用してくださいね!
■内容■
- ニューバランスのENCAPソールは加水分解しやすい原因と対策が明確に!
- 具体的な保管・使用上の注意点を通じてシューズの寿命を延ばす方法が学べる!
- 他のソール素材の特性と比較して、適切なケア方法が把握できる!
【ニューバランス】ENCAP(エンキャップ)は加水分解しやすい?
ニューバランスのシューズには、目的に合わせて素材や構造の違うソール(足底)が使われています。
一番底のアウトソールには水に強い素材が使われていますが、その上のミッドソールに使われている素材は様々です。
使われている素材によって性質が違ってきますが、その中の「PU(ポリウレタン)」が加水分解しやすいといわれています。
ENCAP(エンキャップ)に使われている素材は?
ENCAPとは、「EVA素材(エチレン・ビニール・アセテート樹脂)」を「PU素材(ポリウレタン・ウレタン樹脂ともいう)」で包んだ技術のことで、「ENCAP構造」とも呼ばれています。
「EVA素材」は水分に強い合成樹脂でクッション性が強く、「PU(ポリウレタン)素材」はゴムのように柔らかいプラスチックです。
この「PU(ポリウレタン)素材」が使われていることで、加水分解しやすくなるのです。
加水分解とは?その原因
「加水分解」とは、雨などの水分や空気中の水分(湿気)に反応することでおこる、分解反応のことです。
(化学の時間に習った、電気分解やイオン化合物などの言葉が浮かびます⋯)
加水分解が進むと、表面がベタベタしたり最後にはボロボロになってしまうこともあります⋯。
空気中の水分だけでなく、塩分や紫外線・熱などにも反応して少しずつ分解されるので、「経年劣化」として避けられないと覚悟するしかありません。
ENCAP(エンキャップ)が搭載されているモデルは?
ENCAPが搭載されている代表的なモデルは、574・996・1300・1500などがあります。
特に1300はENCAPを初搭載した記念すべきモデルで、高いクッション性と安定性に世界中の人が感動したものです。
またENCAP構造と他の技術を組み合わせて作られているモデルも多く(ENCAP構造のABZORBとかENCAP構造のC-CAPなど)、高いクッション性を追求するとENCAPは外せなくなります。
確認するには、気になるシューズの「商品詳細」欄の「搭載機能」を確認するか、ソール部分を実際に見て「ENCAP」の文字を見つけるしかなさそうですね。
加水分解の対策方法!3つのポイント
加水分解は、シューズを使用した回数に関係なく、工場で作られた時から始まっています。
避けられない現象ですが、劣化を遅らせるポイントが3つあります!
水分を避ける!
水に触れないように気を付けていても、濡れてしまうことはありますよね⋯。
そんな時は、絶対に濡れたままにしておかないことです。
表面の水分は、必ずふき取ること!
中まで濡れた時には、新聞紙を軽く丸めて詰めておくことをおすすめします。
(私は、2時間ごとに詰め替えるようにしています)
思っているよりも早く水分が抜けるので、試してみてくださいね!
そしてそのあとは風通しのよいところで陰干しをして、しっかりと乾かすようにしてください。
直射日光の当たるところは、避けてくださいね!(ポリウレタンは、紫外線や熱にも弱いのです⋯)
もちろん、定期的に防水スプレーを使うと、もっと安心です!
保管環境に気を配る!
しばらく履かないときの保管方法には、気を配るようにしてください。
高温多湿のところは、絶対に避けること!(車の中に放置するのは厳禁です!)
またシューズボックスに保管するときは、除湿剤や乾燥剤をうまく使って湿度をコントロールしてください。
木製のシューズキーパーを使うと、木材が呼吸をして湿気をコントロールしてくれるという利点もあります!
高価なものではなくても大丈夫なので、天然木のものを選ぶようにしてくださいね。
ちゃんと履く!
意外に思われるかもしれませんが、適度に履くことで加水分解を遅らせることができます!
履くことでソールの中の空気が入れ替わり、湿気を逃す効果があるのです。
「もったいない!」と思ってジッと大事にしまっておくと、かえって劣化が進んでしまいます。
そのことを知ったときに、私は「お気に入りのものこそ普段遣いにしよう!」と強く思いました。
加水分解の対策方法は何も特別なことではなく、よく乾かしたり・こまめにブラッシングをしたり・時々休ませたりしながら、愛情をもって大切に扱うことが一番です!
お手入れ方法についてもっと知りたい方は「【ニューバランス】靴の洗い方は?素材によってポイントが違う!」を参考にしてくださいね!
補足:もしも加水分解が進んでしまったら?
加水分解は、「PU(ポリウレタン)」が作られた時から進んでいます。
「PU(ポリウレタン)」の寿命の目安は3~5年と言われていますが、放置していたら早くて2年で加水分解するそうです。
加水分解のインパクトは、とても衝撃的です。
ずっと前のことですが、しばらくしまい込んでいたシューズを履こうと持ち上げた瞬間に、「ペロ~ッ!」とソールが剝がれ落ちてしまいました!
思わず大きな声が出てしまったことを思い出します。
修理しよう!という気持ちを一切起こさせないほど、文字通り「ボロボロ」でした⋯。
上記の3つの対策をして大切に扱っていたら寿命は延びますが、それでも完全に防止することはできません。
もしも加水分解が進んでしまったら、ケガの原因にもなるので修理ができるモデルなら修理に出しましょう。
ニューバランスでは、ソールの交換ができるモデルもあります。
履き心地は変わってしまうかもしれませんが、靴の修理専門店にお願いするのも選択肢の一つです。
【ニューバランス】代表的なソールについて(素材・特徴)
ニューバランスにはENCAPだけでなく、優れた機能のソールが存在します。
簡単に紹介していきますね!
C-CAP(シーキャップ)
日本主導で開発された素材(EVA素材をさらに圧縮形成したもの)を使い、とても軽くクッション性に優れているソールです。
EVA素材のみで作られているので、加水分解にも強いソールです。
ABZORB(アブゾーブ)
強いクッション性を持つ素材で、ほぼ100%の衝撃を吸収してくれます。
そのエネルギーを反発力に変換して、弾むような履き心地を感じさせてくれます。
列車の衝撃を吸収する素材が、開発のヒントになったとか!
その代わり、少し重めになっています。
ACTEVA(アクティバ)
優れたクッション性・耐久性・そして軽い!の三拍子そろった素材です。
「アクティバ ライト」「アクティバ ウルトラライト」と、さらに軽量化が進んでいます!
REVLITE(レブライト)
「ACTEVA」よりもさらに約30%も軽いだけでなく、クッション性や耐久性も兼ね備えた夢のようなソールです。
ニューバランスの多くのモデルに、採用されています。
軽くて足に負担が掛からないのは、とてもうれしいですね!
【ニューバランス】ENCAPは加水分解しやすい?のまとめ
ニューバランスに搭載されているENCAPは、軽さとクッション性を追求するために使われている「PU(ポリウレタン)」の性質上、加水分解しやすいことが分かりました。
避けられないこととはいえ、3つのポイントを押さえて大切に扱えば劣化を遅らせることができます!
お手入れをしながら、お気に入りのシューズを長く愛用してくださいね!
◆内容◆
- ニューバランスのENCAPソールは、PU素材の使用により加水分解しやすい。
- 適切な保管と定期的な使用で加水分解を遅らせる方法が解説されている。
- 他のソール素材との比較により、各素材の特性と適切なケア方法が明らかに。
- 加水分解が進行した際の対処法も含め、長期的なシューズケアのポイントが提示。
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